勉強を完全にやめてしまったのは受験の3週間前のことだった。
昨年の秋から毎週日曜日と連休はずっと資格学校に通う日々だったが、3回目の模試が終わった時点で、「これは箸にも棒にもかからんな」としばらく放心状態になった。
試験1か月前のことだった。
モチベーションは坂を転がり落ちるように低下していき、7月に入ったのをきっかけに学校へ通うのをやめた。
何もしない休日は、テレビを見たり本を読んだりしてだらだら過ごした。脳みそがぬるま湯に浸かっているような気分だった。
無駄にした休日ほど、1日が一瞬のように終わった。
一級建築士の勉強は、時々、知らない外国語の勉強のようだと思った。
勉強の内容と、私が所属する会社での実務がほとんどつながらない。
だから、勉強したことがそのまま仕事に役に立つ実施設計とか施工管理をしている人たちがうらやましいなと思うこともあった。
だけど、ラッキーなこともあった。
試験1ヶ月前から、少し設計に関われることになったのだ。
今まさにヒーヒー言いながら図面をかいている。こうやって建物ってできるのか、と改めて実感している。
そして資格のテキストを読み返すとけっこう勉強になる。
改めて、一級建築士学科試験は私にとって、めちゃくちゃ難しかった。
ある程度覚悟を決めて、集中して勉強しないといけないのだのわかった。
思えばこの一年、上京して2年住んだマンションを引っ越し、結婚して夫との二人暮らしを始め、祖母が亡くなり、ストレスから心療内科に通いだし、色んなことがあった。
今年は勉強を人生の優先順位の一番にして、合格したあかつきには、理想の夢のマイホームを設計しようではないか。