通勤電車に揺られていると、突発的にどこか遠くへ行きたくなった。
北へ行きたい。
そう思って、東北新幹線の終点の新青森駅に行く新幹線を検索した。青森県立美術館にも行きたかった。
スマホの予約画面を進む。
青森駅前のビジネスホテルを探して、ふと指が止まった。
旅行先の、自分の姿を想像した。
一人で町を歩く。食事をする。途方もなく寂しくなってきて、だめだ、心が耐えられないと思った。結局、予約はしなかった。
大学生のとき、一人旅が大好きだった。荷物を小さなリュック1つにして、そこに住んでてふらっと散歩してます、みたいな旅行をよくした。
その時の私は、寂しくなるために、一人旅にせっせと出かけていたのだと思う。つまり、大学生の時の私は寂しくなかった。実家でぬくぬく過ごし、大学やサークルの友達が数少ないけれどまわりにいて、だから時々一人ぼっちになりたかった。
今の私は、きっと一人に耐えられない。それはつまり寂しいからなのだ、なんて事実は、見えないふりをする。
0 件のコメント:
コメントを投稿