2017年3月10日金曜日

寂しさの耐性

通勤電車に揺られていると、突発的にどこか遠くへ行きたくなった。

北へ行きたい。
そう思って、東北新幹線の終点の新青森駅に行く新幹線を検索した。青森県立美術館にも行きたかった。

スマホの予約画面を進む。

青森駅前のビジネスホテルを探して、ふと指が止まった。

旅行先の、自分の姿を想像した。

一人で町を歩く。食事をする。途方もなく寂しくなってきて、だめだ、心が耐えられないと思った。結局、予約はしなかった。

大学生のとき、一人旅が大好きだった。荷物を小さなリュック1つにして、そこに住んでてふらっと散歩してます、みたいな旅行をよくした。

その時の私は、寂しくなるために、一人旅にせっせと出かけていたのだと思う。つまり、大学生の時の私は寂しくなかった。実家でぬくぬく過ごし、大学やサークルの友達が数少ないけれどまわりにいて、だから時々一人ぼっちになりたかった。

今の私は、きっと一人に耐えられない。それはつまり寂しいからなのだ、なんて事実は、見えないふりをする。

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