2016年5月21日土曜日
初めてのお給料で買ったものは、めがねでした
目がとても悪い。裸眼だと両目とも0.03ぐらい。中学生の頃からずっとコンタクトを使っていたが、さいきん毎日会社で10時間以上パソコンを眺め続けているものだから、ドライアイと目の疲れがもう限界だった。
唯一持っていた眼鏡は、量販店で5000円ぐらいで買ったものだ。5分にも満たない簡易な視力検査で作られたもので、ずっと作り替えていないから最近、見えにくくてしょうがなかった。
「眼鏡を買おう。それも、とっても良い眼鏡を買おう。」
そう思い立って、ネットで検索した。すると、認定眼鏡士という資格を持つ方に眼鏡を作ってもらうといい、とわかった。幸運なことに私のアパートから歩いて10分のところに、認定眼鏡士のいるお店はあった。
お店は、明るい、ふつうの眼鏡屋といった印象だった。眼鏡を新しく作りたいと伝えると、奥に通され、視力検査が始まった。
初めて受ける細かな検査をいくつも行い、検査は40分にも及んだ。その結果、私の今の正確な視力に加え、右目には乱視があること、左目と右目で見えるものの高さにわずかな差があること、右目は少し斜視であることなどがわかった。そして、今の目にぴったり合ったレンズを選んでもらった。
フレームは、耳に重みをまったく感じない超軽量のものを選んだ。なんでも、職人さんが手でつるの部分などを曲げて作っているのだそうだ。カーキ色で四角に近い、ちょっとレトロな雰囲気のフレームだ。
眼鏡は一週間経ってできあがった。ばちっと視力が合う気持ちよさ。ふわっと耳にかかるフレームの軽さ。小躍りしたくなるほど、嬉しくてたまらなかった。レトロなフレームも、ちょっとお洒落にこだわっている人に見える気がする。
値段はフレームとレンズを合わせて5万3千円。私にとっては大きな買い物だが、毎日何年も使うと考えると良い買い物だったと思う。
25歳にして、新たな眼鏡人生が始まった。生きるのが楽しくなるアイテムを、またひとつ手に入れてしまった。
2016年5月15日日曜日
休日の成果品
唇と口紅のピアスを作った。何て生きるのが楽しくなりそうなピアスなんだ!と自画自賛。
会社用にシンプルなものも。
トートバッグにつける用のバッグチャームも作った。
こういうことしてると、土日がすぐに終わってしまう。
2016年5月8日日曜日
わたしのお母さん
10連休も終わり、東京に戻ってきた。今回は母も東京出張なので、二人で。
私のアパートの最寄り駅へ着いたあと、駅前のカフェで簡単な夕飯を食べる。そして明日からの食材を買いにスーパーへ行った。
「ラディッシュいらん?ぶどう買っとき。野菜ジュースも必要やろ。ウインナーもあると便利ちゃう?ほらハーゲンダッツの6個入りも。」
普段、自分では買わないようなものをどんどん母はかごに入れていく。いつも1週間分の食材は2500円までと決めてスーパーで買い物しているが、この日は6500円の高額な買い物となった。支払いは、母がしてくれた。
そういえば、初任給をもらったのにまだ私は両親、祖母に何もプレゼントをしたり食事をごちそうしたりしていない。帰省前に何が欲しいか母に尋ねたが、「プレゼントなんてもったいない使い方せんとき。ちゃんと貯金して。」と返答された。
さらに帰省中、京都の伊勢丹で会社に着ていく洋服を探しに行ったときも、ジャケット、スカート、パンツという結構高い服たちを、母は入社祝いだと言って買ってくれたのだった。
「もう初任給もらったんやから自分で払う」と言っても、「お給料は大事に残しとき」と言う。
私は、「ありがとう」ばかり言った。
東京の私のアパートに到着した後、ふと、前に見た報道番組を思い出した。
その番組では、オレオレ詐欺に引っかかった高齢男性の通話の内容が紹介されていた。
仕事に失敗して500万円必要だという泣き声の息子役詐欺師に対して、「気にしなくてもいい。お父さんが用意してあげるから」と男性は言った。その後、詐欺グループの一員が息子のミスによって大きな損害を受けたのだという説明をしたときにも、「うちの息子が、ご迷惑おかけして本当に申し訳ありませんでした」と丁寧に謝っていた。
私は、買ってもらったばかりの真新しい服と冷蔵庫いっぱいの食材を眺めながら、そのニュースを思い出した。
息子のために大金を用意してしまう誰かの父親。娘のためにいっぱい洋服と食材を買ってくれる私の母。もちろん母には絶対詐欺に引っかかって欲しくないけれど、でも私は、息子に大金を用意してあげたくなる気持ちが少しわかった気がした。
子がいくつになっても、いつくしみ、そして心配してしまう。それが親というものなのかもしれない。
母は、「月曜からも機嫌よく会社行ってやあ」と言って、帰っていった。
ぽっかりとした寂しさのあと、真新しい洋服を着て、美味しいご飯を食べることを想像すると、会社行きたくないけどちょっと頑張って行こうかな、という気になってくるのだった。
私のアパートの最寄り駅へ着いたあと、駅前のカフェで簡単な夕飯を食べる。そして明日からの食材を買いにスーパーへ行った。
「ラディッシュいらん?ぶどう買っとき。野菜ジュースも必要やろ。ウインナーもあると便利ちゃう?ほらハーゲンダッツの6個入りも。」
普段、自分では買わないようなものをどんどん母はかごに入れていく。いつも1週間分の食材は2500円までと決めてスーパーで買い物しているが、この日は6500円の高額な買い物となった。支払いは、母がしてくれた。
そういえば、初任給をもらったのにまだ私は両親、祖母に何もプレゼントをしたり食事をごちそうしたりしていない。帰省前に何が欲しいか母に尋ねたが、「プレゼントなんてもったいない使い方せんとき。ちゃんと貯金して。」と返答された。
さらに帰省中、京都の伊勢丹で会社に着ていく洋服を探しに行ったときも、ジャケット、スカート、パンツという結構高い服たちを、母は入社祝いだと言って買ってくれたのだった。
「もう初任給もらったんやから自分で払う」と言っても、「お給料は大事に残しとき」と言う。
私は、「ありがとう」ばかり言った。
東京の私のアパートに到着した後、ふと、前に見た報道番組を思い出した。
その番組では、オレオレ詐欺に引っかかった高齢男性の通話の内容が紹介されていた。
仕事に失敗して500万円必要だという泣き声の息子役詐欺師に対して、「気にしなくてもいい。お父さんが用意してあげるから」と男性は言った。その後、詐欺グループの一員が息子のミスによって大きな損害を受けたのだという説明をしたときにも、「うちの息子が、ご迷惑おかけして本当に申し訳ありませんでした」と丁寧に謝っていた。
私は、買ってもらったばかりの真新しい服と冷蔵庫いっぱいの食材を眺めながら、そのニュースを思い出した。
息子のために大金を用意してしまう誰かの父親。娘のためにいっぱい洋服と食材を買ってくれる私の母。もちろん母には絶対詐欺に引っかかって欲しくないけれど、でも私は、息子に大金を用意してあげたくなる気持ちが少しわかった気がした。
子がいくつになっても、いつくしみ、そして心配してしまう。それが親というものなのかもしれない。
母は、「月曜からも機嫌よく会社行ってやあ」と言って、帰っていった。
ぽっかりとした寂しさのあと、真新しい洋服を着て、美味しいご飯を食べることを想像すると、会社行きたくないけどちょっと頑張って行こうかな、という気になってくるのだった。
2016年5月7日土曜日
ゴールデンウィークの成果品
「生きるのが楽しくなるようなスカートが必要だ!」
美容室でシャンプーをされている最中に、ふと思いついた。
美容室でシャンプーをされている最中に、ふと思いついた。
髪をばっさり切ったあと、私はそのまま手芸洋品店に駆け込み、白地に花柄の布、洋服だったらまあ選ばないような柄の布を購入した。数年ぶりに実家のミシンをひっぱり出し、動くのを確認すると、スマホで検索した作り方を参考に、1時間ほどで初めてのスカートは完成した。
その後すっかりはまり、10連休中に5枚のスカートと1枚のクッションカバーを作った。
ミシンに向き合う時間は、とても心地よかった。リズミカルに突き刺す針を見つめ、するすると布をすべらせていく。均等な縫い目がきちんと整列して並ぶ。さっきまでぺらぺらとした布だったのが、だんだん洋服の様相をなしてくる。なんて気持ちいい瞬間だろう。
そして一番好きなのは、ゴトゴト、ゴトゴトというミシンの音だ。
そういえば、昔教科書に載っていた阿部公房の「詩人の生涯」という小説の中で、老婆が糸車を引くシーンがあった。その音が、「ユーキッタン、ユーキッタン」と表現されていた。小説の内容は薄気味悪くて好きではなかったのだが、このユーキッタン、ユーキッタンという音はきっと気持ちよくて可愛い音なんだろうなあと、やけに気に入っていた。
さて、完成した5枚のスカート。会社には着ていけるような服じゃないから、週末限定スカートとなった。休みの日には色鮮やかなスカートを履いて、風をばっさばっさ切って歩くのだ。
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