2015年6月18日木曜日

女子高生への羨望

電車に乗っていると、頭に花かんむりをのせた女子高生のグループを見かけた。お団子ヘアーに白やピンクの花がたっぷりのった冠をかぶって、驚くほど短い制服のスカートをひらつかせていた。

花を盛った彼女たちは、はしゃいでいて、生意気そうで、傍若無人で、世界は自分たちのものだと思っていそうだった。

なんだよ。妖精のコスプレかよ。だいたい花かんむりなんて恥ずかしい。そんな姿、きっとあと5年もしたら赤面するような過去になるのに。

そう私は心の中で、ひとり言をつぶやいた。

その日の私は就職活動の帰りだった。緊張から解き放たれ心身ともにぐったりしていた。

動きにくいリクルートスーツに身を包んだ私には、本当は、彼女たちの軽やかさが羨ましくてたまらなかった。傍若無人さが、眩しいと思った。

彼女たちの姿を横目に見ながら私は、タイトスカートを脱ぎ捨てて、頭に花かんむりをのせて、ミニスカートをひらひらさせて街を闊歩する自分を想像した。それはとても愉快で、格好悪くて、人生がちょっと楽しくなりそうだと思った。

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