目に入るのは割り箸のみ。そしてふたが開けられていないアロエヨーグルト。えいっと覚悟を決めて、割り箸でヨーグルトを食べ始めた。
すぐに後悔した。割り箸ですくえるのはアロエ一粒のみで、とろりとしたヨーグルトは2本の箸の隙間から流れ落ちていく。私が一番食べたい部分なのに。仕方がないので、カップに口をつける。ヨーグルトはどろりと流れてあっという間に無くなってしまった。あんなに好きなのに、全然美味しく感じなかった。
心から、一口ずつ味わいたかったと思った。小さじ一杯分が積み重なるからこそ幸せなのだ。贅沢な大きな一口は嬉しくない。
家に帰ると、かばんの中からプラスチックのスプーンがころりと落ちた。
0 件のコメント:
コメントを投稿