独身の女性たちと、マンションをめぐるお話の「プリンセスメゾン」という漫画がとてもよかった。
自分の家のことを、考えようと思った。
今、自分が生活している社員寮のマンションに特に不満はない。
けれど、6畳のワンルームはたまにとても狭く感じて、服も、本も、買って増えるにしたがって、定期的に今持っているものを手放さなければいけない。そういうとき、部屋に支配されているなあと思う。
建築学科に在籍していたのにも関わらず、自分はどんな部屋に住みたいのか考えてみても、うまく想像できない。お風呂に窓があって、ベランダはハンモックを置ける広さが欲しい。理想の家を考えるとき、なぜか、マンションを前提としてしまう。土地を買って、自分の家を建てる未来はきっと来ないだろうと思う。
フィリピンにいたとき、窓ガラスのない部屋に住んでいた。窓は格子だけだった。4階だったので、虫は入ってこなかった。自分で決めたそのアパートの家賃は、毎月2000円だった。
たまに、そのときの生活を思い出す。今、狭い部屋だけど都心にもほどほどに近く、オートロックもついている家に住まわせてもらっていると、自分がとても分不相応な生活をしている気持ちになる。
記憶のなかにいる、窓ガラスのない部屋にいた私は、とても強くて勇敢だった。別人のような幻影を、時々思い出してしがみつきたくなる。その瞬間だけ、弱い自分がいなくなる気がする。
週末に、私は、家じゅうをピカピカにする。キッチンも、トイレも、お風呂も。部屋に落ちたほこりも念入りに取り除く。それは家を大事にしているからではなく、単に、休日にやることがないからだ。
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