お正月に映画かぐや姫を見た。
女性として成長するにつれてかぐや姫は男性から見た目で価値をつけられることに苦しむ。野山を楽しく駆けまわっていた頃にもう戻れないことを悲しむ。そして帝との逃れられない結婚から本当に逃げるため、かぐや姫は月に帰ることを選ぶ。月の世界は虚無の世界。それは死後の世界を意味する。
月へ帰る直前、つまり死ぬ直前にかぐや姫は一瞬、涙を流し生への後悔を見せる。しかし、次の瞬間には地球での記憶を全て失ってしまう。
人間は生きていれば、苦しみがつきまとうのだろう。あのときああしていれば、また別の生き方があったかもしれないという後悔とずっと隣り合わせなのだろう。
けれど、死んでしまって何も感じなくなることに比べれば、その苦しみ、後悔を感じることさえもずっと価値があることなのだ。だから否応なくやってくる死までは、人はみな生きなければならないのだ、というメッセージだと思った。
「嫉妬」を感じることもまた生きている証。そう自分に言い聞かせよう。
死んでしまえばそんな感情すら味わうことはできなくなるのだから。
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