2014年2月6日木曜日

かつては高校生

バスに乗っていると、かつて通っていた高校のそばを通った。見覚えのある制服を着た高校生たちが通学している。その姿を見ると、同じ制服を着た当時の自分の姿がありありと思い出されてきた。

それまで自分の高校時代なんて思い出そうとしても思い出せないほど遠い昔のことだった。けれど記憶は遡り始める。

エナメルと呼んでいたスポーツバッグに部活のユニフォームと教科書、お弁当、1,5リットルの水筒をどさっと入れていたこと。いつも右肩に担いでいたそのスポーツバッグの重み。化粧っ気なく、ショートカットの髪をボサボサにして遅刻ギリギリに走っているあか抜けない高校生。それが私だった。

記憶はずるずると当時の感情まで引っ張り出してくる。

部活の友達と泣きながらお互い思っていることを言い合ったこと。ひそかに好きだった相手と廊下ですれ違うたびに心臓が飛び出るかと思うほどドキドキしたこと。
ちょっとしたことですぐ泣いて悩んでどきどきして、大人と子どもの中間だった高校時代はとにかく毎日感情のふり幅が大きかった。

今はもう泣かずに穏便に相手に言いたいことを伝える方法を知っている。ドキドキする気持ちを顔に出さずしれっと隠す方法も知っている。そうやって一つひとつ学んでいくことは気持ちを穏やかに、生きることを楽にしてくれると思う。

けれど高校生の自分を思い出して、あのころのようなひりひりした気持ちをもう一度味わいたいと思った。そしてそんなものはとうの昔に失ってしまったことに気づいて、悲しかった。

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