ゆりかもめに乗って東京お台場に行ってきた。降りたって歩いてみて驚いた。
完璧な街だ、そして完璧すぎて怖い、と。
私はどうもこの人工島が苦手だ。神戸のポートアイランドもそうだけれど、どこまでも清潔で美しい環境というのは、どこか気持ちを落ち着かなくさせる。まるで街という舞台セットのようだ。もしくは、ゲームの世界。
気持ちよい広さの道路に、密集せずに建てられたビル群、そして海水浴ができるようにビーチが作られている。綿密な都市計画に基づいて設計されているのだろうなとわかるのだけれど、そこには路地や空き地や里山はない。どこもかしこも見晴らしがよく、すかっと視線は通り、逆に言えば隠れられる場所がないような気がした。それが、ここに住むのをためらわせているのではないかと思った。
大げさな言い方かもしれないが、そこを歩いている人はエキストラのように街を街らしく見せるために配置されているように見えた。街の完璧さの前に、人の存在感は薄くなるのだろうか。
もう一つの怖さの原因は、無人電車に乗って人工島まで移動することだろう。ゆりかもめやポートライナーに乗ると、「連れて行ってしまわれる」という意識を持たずにはいられない。
ここまで書いた通り、私にとって人工島は怖い場所であり住むとなったら少し躊躇してしまうのだが、実際お台場海浜公園のマンションはびっくりするぐらい価格が高いし、人気のある土地なのだろう。
だが、人工島に対して生理的に恐怖を感じるのはきっと私だけではないはずでは、と思う。
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