2014年6月28日土曜日

感想「すべてがFになる」

あらすじ
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。

読み終わったあとの爽快感!
これは自分の常識の範囲をぽーんと飛び越える快感だ。

ミステリー小説を読むとき、読み手側は登場人物とともに推理をする。登場人物の言動や行動を見落とさないように読み進めながら、「犯人はこの人ではないか」「トリックはこうではないか」と考える。

だけど、この小説では私の頭で考えられる範囲をはるかに超えた世界が展開し、そのあまりのギャップの大きさにもうページをめくる手がとまらなくなるのだ。

たまにミステリーで「それはさすがに無いやろ」というようなトリックだと、今まで読んだ時間を無駄にしたという気持ちになるが、これは理論的にトリックがどんどん解明されていき読んでいて本当に気持ちよかった。

そして「すべてがFになる」の意味がわかったとき、思わずぎょっとする。これを考える森博嗣の頭の中はどうなっているのだろうか。すごい。傑作。

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