唐突だが、男女の身体的な差で一番の違いは何だろう。骨格とか筋肉量とかいくつかあるけれど、一番の違いは皮膚の厚みだと思う。私はお世話になった人と別れるときなど感謝の意を表すつもりで握手をするのが好きだ。また海外に行くと挨拶がわりに握手をする。そのたびにいつも男女の皮膚は厚みがずいぶん違うなあと感じる。男性と握手をすると圧倒的に自分は皮膚が薄いとわかる。逆に女性のときには自分と同じ厚みだ、と思う。
皮膚は身体の外装材だ。住宅の場合、外装材がしっかりしていれば中の熱は逃げないし、外が寒くても中まで簡単に冷えない。中は簡単に傷つかない。逆に外装材が薄ければ、中は外の影響を直接受ける。簡単に傷ついていく。身体と精神の関係もまた同様。薄い皮膚は弱い。身体を守っているものが弱いゆえに、簡単に精神まで傷がついてしまう。女性同士の会話で共感というのがすごく重要であるのも、お互い傷つきやすいがゆえに傷つけあってはいけないからなのだと思う。
男性には女性特有の傷つきやすさが理解してもらえないのではないか、と思ったのは小学5年生の時だった。その頃、女の子同士のグループで無視をしたりされたりといういざこざが起きた。学校に来れなくなった女の子がいて、緊急クラス会が開かれた。そこで、当時40代だった男性の担任教諭は「女の子同士のいろいろはよくわからないねー」と言った。関わるのが心から面倒くさそうだった。その時、「ああこの人に助けを求めようとしたことは間違いだった」と深く失望した。女の子同士がどれほど友人関係に気を張らなければいけないのか、たかが一度無視されるということがどれほど心に傷を負うのか、そんなことは男性の先生にはわかるはずないのだ、と。解決してくれたのは、女性の保健の先生だった。泣きながら話し合って、クラスの女の子同志は関係を修復した。
男性は傷つきにくい、女性の傷つきやすさをわかってくれない、と言いたいのではない。ただ、皮膚の厚みという身体的な男女差は心の傷つきやすさにも直接影響を及ぼすのではないか、それもまた男女の生物的な差ではないのか、思うのだ。そこは男性と女性の分かろうとしても分かり合えない違いだと感じる。だって持ってるものが違うのだ。
AKBの女の子が切り付けられた痛ましい事件が起きた。「誰でもよかった。」そんな理由で男性は女性を切りつけないで欲しい。それは男性が負う傷よりも大きな傷となる。
AKBのかわいい女の子もまた薄くもろい皮膚しか持たず、体の傷は直接心の傷となるのだから。
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